COLUMN 管理栄養士コラム

【レシピ付き】管理栄養士監修、糖尿病患者向けの低糖質食メニュー3選!

【レシピ付き】管理栄養士監修、糖尿病患者向けの低糖質食メニュー3選!

はじめに

糖尿病の方にとって、毎日の食事は血糖コントロールのカギを握ります。糖尿食は難しく思われがちですがポイントを抑え、3食規則正しく栄養バランスが整った食事を心がけることで、血糖値の急激な上昇を防ぎ、健康的な体調を維持することが可能です。

今回は、管理栄養士が糖尿病の方におすすめする食事のポイントと簡単に作れるバランス食レシピをご紹介します。

糖尿病患者の食事で気をつけるべきポイント

1. 糖質の質とGI値

糖質とは炭水化物の一部で、炭水化物は消化されてエネルギー源として使用される『糖質』とエネルギーにならないものの整腸作用や血糖上昇を緩やかにする働きを持つ『食物繊維』に分かれます。

糖質は炭水化物から食物繊維を抜いたものということです。

糖質は血糖値に直接影響を与えます。

単糖類(ブドウ糖、果糖)、二糖類(麦芽糖、ショ糖)、多糖類(グリコーゲン、デンプン)と種類があり、単糖類>二糖類>多糖類の順で血糖値を上昇させます。

糖尿病食はいかに血糖値を上昇させないかという点がポイントとなってきます。

そこで食後に血糖値が上昇するスピードを食品別に表したGI値(グリセミックインデックス)を参考にしましょう。

急激に血糖値を上昇させる高GI食品(白米、パン、麺類など)よりも、ゆるやかに吸収される低GI食品(玄米、雑穀米、全粒粉、大豆食品など)を選ぶことが大切です。

2. 食物繊維をしっかり摂る

食物繊維は糖の吸収を抑え、血糖値の上昇を緩やかにする働きがあります。

野菜、海藻、キノコ類、豆類を積極的に取り入れましょう。

野菜の中でも芋類(じゃがいも、さつまいもなど)、かぼちゃ、人参、とうもろこしなどはGI値が高いので注意が必要です。

上記以外でも、毎食食べる主食を食物繊維の多いものに変えると食物繊維の摂取が増え急激な血糖上昇を抑えられます。

白米→玄米や胚芽米、雑穀米

パンやパスタ→全粒粉やライ麦が入ったもの

3. たんぱく質と脂質のバランスをとる

肉や魚、卵、大豆製品などの良質なたんぱく質を適量摂取し、悪玉コレステロールを下げ糖尿病のリスクを低下させるオメガ3脂肪酸を多く含むえごま油、亜麻仁油などの油脂類、魚では鯖、イワシ、鮭、マグロ、秋刀魚などに加えナッツ類を活用するのがおすすめです。

4. 食事のリズムを整える

食事の欠食や間隔が空きすぎたり食事時間が不規則だと、次の食事で血糖値が急上昇しやすくなります。

血糖値の急激な乱降下は血管にダメージを与える可能性もあり、動脈硬化のリスクも高まります。

1日3食規則正しく食べることを心がけましょう。

管理栄養士おすすめ! 糖尿病患者向けバランス食レシピ

(1)鯖と野菜のトマト煮

<材料(1人分)>

  • 鯖……1切れ80g
  • ズッキーニ……1/8本(25g)
  • 玉ねぎ……1/8(25g)
  • しめじ……25g
  • にんにく……1かけら
  • トマト缶……100g
  • オリーブオイル……小さじ1(4g)
  • 酒……小さじ1
  • コンソメ……2g
  • 塩……ひとつまみ
  • こしょう……少々

★水 125ml

★酒 小さじ1

★塩 とつまみ

<作り方>

  1. 鯖を一口大にカットし、★の水と酒と塩を入れたボウルに入れ20分漬け込む。  (鯖の臭み取りができます)
  2. 野菜を切る。にんにくはみじん切りに、ズッキーニ、玉ねぎは半月切りに、しめじは石づきをとりほぐしておきます。
  3. 鍋にオリーブオイルとにんにくを入れにんにくの香りがするまで炒めます。
  4. 玉ねぎ、ズッキーニを入れ火が通ってきたらしめじと酒を入れ炒めます。
  1. 野菜がしんなりとしてきたら一度取り出し、鯖を入れ炒めます。
  2. 鯖に火が通ったら野菜を戻し、トマト缶、塩、こしょう、コンソメを入れ煮詰めます。
  3. 汁気がなくなってきたら完成です。

<POINT> 糖尿病リスク軽減効果のあるオメガ3系脂肪酸を多く含む鯖と食物繊維を含む野菜やきのこ類、高血糖予防に良いと言われるトマトを使ったメニューです。

(2)きのことほうれん草の洋風炒め煮

<材料(1人分)>

  • しめじ……20g
  • 舞茸……20g
  • エリンギ……20g
  • 椎茸……20g
  • えのき……2g
  • ほうれん草1/4束
  • 酒……小さじ1
  • コンソメ……2.5g
  • 塩……ひとつまみ
  • こしょう……少々
  • 粉チーズ……2g

*きのこの種類はお好きなものを100gご用意ください。

<作り方>

  1. しめじ、えのき、舞茸はそれぞれ石づきを取りほぐしておく。エリンギ、椎茸は細切りにしておく。                            (椎茸の軸は先端を切り取り細切りにして使いましょう)
  2. ほうれん草は下茹でし、5cm幅に切っておく。
  3. きのこをフライパンもしくは鍋に入れ炒める。きのこから水分が出てくるので酒を加え炒め煮にする。
  1. きのこに火が通ったらほうれん草を加える。
  2. コンソメ、塩、こしょうを加え炒める。
  3. 全体に調味料が絡まったら最後に粉チーズを振り入れてたら完成です。

<POINT> 血糖値を安定させる食物繊維が豊富なきのこをふんだんに使ったメニューです。高血糖を防ぐαリポ酸を含むほうれん草も加えています。また、コンソメを中華だし、和風だしに変えることで中華風にも和風にもアレンジできるメニューです。

(3)豆苗と豆のさっぱりサラダ

<材料(1人分)>

  • 豆苗……約20g
  • ミックスビーンズ……20g
  • ブラックオリーブ……5g
  • アマ二油……小さじ1/2
  • レモン汁小さじ1
  • 塩……ひとつまみ
  • ブラックペッパー……少々

<作り方>

1.アマ二油、レモン汁、塩、ブラックペッパーを合わせておく。

2.豆苗は5cm幅に切り耐熱ボウルに入れ電子レンジで火を通す。600w1分。

3.火を通した豆苗からは水分が出るので余計な水分を取り除く。

4.ミックスビーンズ、ブラックオリーブを加えて混ぜる。

5.合わせておいたアマ二油、レモン汁、塩、ブラックペッパーを入れ絡めたら完成。

<POINT> 豆苗はビタミン、ミネラルが豊富ですがたんぱく質も多く含みます。ミックスビーンズは食物繊維が豊富です。調味料にはオメガ3系脂肪酸が豊富なアマ二油と血糖値の上昇を抑える効果が期待できるレモン汁を使用しています。またさっぱりとしたお味になっており豆苗は歯応えも良く食感も楽しめる一品です。

まとめ

糖尿病患者さんにとって、食事は治療の一環。今回ご紹介したメニューは、血糖値の急上昇を防ぎながら美味しく食べられるレシピです。忙しい毎日でも手軽に作れるので、ぜひ取り入れてみてください。

毎日の食事の積み重ねが、健康的な未来をつくります。食生活を見直し、無理なく続けられるバランスの良い食事を目指しましょう!

監修管理栄養士/大谷結子

相模女子大学 学芸学部 食物学科 管理栄養士専攻卒業(現 栄養学部 管理栄養学科)在学中糖尿病専門のゼミを受講し、卒業論文にて糖尿病患者向けのショートケーキを考案。

卒業同年に管理栄養士取得。保育園栄養士として給食業務、食育全般に携わる。

出産、育児を経て現在はオンラインにて保健指導業務に携わっている。 

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