COLUMN 管理栄養士コラム

【レシピ付き】管理栄養士監修、アスリート向け高たんぱく間食メニュー

【レシピ付き】管理栄養士監修、アスリート向け高たんぱく間食メニュー

1.はじめに

トレーニングの合間や練習後の栄養補給に欠かせない「間食」。
特にアスリートにとっては、リカバリー促進や筋合成に関与するたんぱく質の摂取が重要です。

今回は、忙しいアスリートでも手軽に取り入れられる「高たんぱく間食メニュー」を管理栄養士の視点からご紹介します。

2.アスリートにとっての間食の役割とは?

アスリートは活動量が多く、1日3食だけではエネルギー・栄養素の補給が不十分になりがちです。そこで、間食(補食)を活用することで以下のようなメリットがあります。

  • 筋肉の合成を助け、疲労回復を促す
  • パフォーマンスの維持に役立つ
  • エネルギー不足による筋分解を防ぐ

特に運動後30分以内は「ゴールデンタイム」と呼ばれ、筋肉の修復・合成が最も活発になる時間帯です。このタイミングでたんぱく質と糖質を組み合わせた間食を摂ることで、リカバリー効果が高まります。


3.1回の間食で摂りたい「たんぱく質量」と選び方のポイント

■ 目安は「10〜20g」

運動後のたんぱく質摂取量は10〜20gが適量とされています。過剰摂取してもすぐに筋肉に変わるわけではなく、消化・吸収の負担にもなるため注意が必要です。

■ 選び方のポイント

  • 消化吸収がよい:ホエイプロテインや卵、ヨーグルトなど
  • 糖質と組み合わせる:バナナやおにぎりでグリコーゲン補給を
  • 持ち運びやすさも重要:常温保存できるものは試合や遠征でも便利

4.アスリートの間食におすすめ!市販品の活用法

調理が難しいときは、市販品を上手に取り入れるのもおすすめです。

商品名たんぱく質量特徴
ギリシャヨーグルト(無糖)約10g/100g高たんぱく・低脂肪で消化が良い
ゆで卵約6g/1個手軽で腹持ちが良い
サラダチキン約20g/1個コンビニでも購入可能で便利
プロテインバー約10〜20g/1本小腹が空いたときや遠征時に

5.管理栄養士おすすめ! アスリート向け高タンパク間食レシピ

レシピ①:水切りヨーグルトのココアムース

<材料(ココット3つ分

  • ヨーグルト……1パック(400g)
  • ココアパウダー……大さじ2
  • はちみつ……大さじ2
  • 粉ゼラチン……3g
  • 水……大さじ1
  • 牛乳(または豆乳)……50ml

<作り方>

1.ザルの上にキッチンペーパーを敷き、ヨーグルトを乗せ冷蔵庫で2時間程度水切りする。

2.ゼラチンを大さじ1の水に振り入れて、ふやかしておく。

3.ボウルに牛乳、はちみつ、ココアパウダーを入れて、泡立て器でよくかき混ぜる。良く混ざったら、600Wの電子レンジで40秒温め、再度軽く混ぜる。

4.(2)でふやかしたゼラチンを電子レンジ(600W)で30秒加熱して溶かし、(3)のボウルに入れて良くかき混ぜる。

5.水切りしたヨーグルトも入れてよく混ぜ、ココットなど容器に注ぎ、冷蔵庫で冷やし固める。

6.お好みでココアパウダーをかけて完成。

<POINT>

ヨーグルトは発酵段階で乳酸菌により、一部のタンパク質がアミノ酸やペプチドに分解されているため吸収率が高く、非常に優れた食材です。ヘルシーだけどリッチな一品になっています。

レシピ②:はんぺんと枝豆のおやき

<材料(2人分)>

  • はんぺん……1枚
  • 枝豆……約20さや(解凍して、さやから出しておく)
  • 木綿豆腐……150g
  • プロセスチーズチーズ……20g
  • 片栗粉……大さじ1
  • サラダ油……大さじ1

<作り方>

1.木綿豆腐の水気を切り、サラダ油以外の材料すべてをボウルに入れて、はんぺんを潰しながらよくこねる。

2.サラダ油をフライパンに入れ、中火で温める。

3.8等分にし、小判型に成形したらフライパンに並べて、火を弱めの中火にし、両面各2,3分ずつくらいきつね色になるまで焼く。※焦げそうな場合は火を弱めてください。

<POINT>

低脂質、低糖質なはんぺんを使用したレシピです。植物性たんぱく質の豊富な枝豆も加えて、食物繊維や疲労回復に役立つビタミンB群もとれる一品です。

レシピ③:高野豆腐のラスク風

<材料(2人分)>

  • 高野豆腐……2個

〈ココア味〉

  • 牛乳……大さじ3
  • ココアパウダー……小さじ2
  • はちみつ……小さじ1(砂糖なら小さじ2)

〈プレーン〉

  • はちみつ……小さじ1(砂糖なら小さじ2)
  • 牛乳……大さじ3

<作り方>

1.高野豆腐をたっぷりのぬるま湯(高野豆腐が浸るくらい)で3,4分戻したら、高野豆腐を押すようにして水分を出す。新たに水を入れて、再度水分を絞り、押し洗いする。

2.高野豆腐を5㎜弱の幅に切る。※お好みで真ん中に切り込みを入れ、くるりんぱするとかわいいです。両端を1㎝くらい残すとやりやすい。

3.ポリ袋に牛乳、ココアパウダー、はちみつを入れて揉みこむ。別のポリ袋にプレーン味も同様に揉みこんで混ぜる。

4.オーブンを150℃に余熱する。(3)に切った高野豆腐を1個分ずつ入れて軽く揉んで、10分ほど浸す。

5.浸した後、軽く水分を搾って、オーブンシートを引いた鉄板に並べる。

6.余熱ができたら、30〜40分焼く。※途中焦げそうな場合アルミホイルを被せると良いです。

7.焼けたら、庫内に15分ほど放置し乾燥させる。

8.※焼きムラができてしまいカリカリにならなかった場合は、電子レンジ600Wで30秒ほど温めて、乾燥させると良いです。

<POINT>

高野豆腐は、高たんぱくなだけでなく、鉄分や筋肉収縮に必要なカルシウムも豊富な食材。手軽にサクッと食べやすいレシピにしました。分量のココアパウダーは、同量のきな粉にしたり、抹茶にしたりすることで味変も可能です。

6.まとめ:間食を「栄養戦略」の一つに

アスリートにとって、間食は単なるおやつではなく、身体をつくるための重要な「栄養戦略」です。

高たんぱく・糖質バランスを意識し、目的やタイミングに応じた補食を取り入れることで、日々のパフォーマンス向上やケガの予防にもつながります。

手作りも市販品も上手に活用し、継続しやすい「自分に合った間食スタイル」を見つけましょう。

トレーニングと同じように、食生活も日々の積み重ねです。1日3回の食事に加えて、適切な栄養を補うことで、日頃のコンディションを整えていきましょう。今回ご紹介したレシピも、ご参考にしていただければ幸いです。

監修管理栄養士/橋田綾乃

甲子園大学 栄養学部栄養学科卒業後、同年に管理栄養士の資格を取得。

卒業後、調剤薬局にて勤務。栄養相談、在宅療養者の方への訪問栄養相談、健康イベント、薬剤師向けセミナーや一般介護予防事業など幅広く業務に携わりました。

現在は、生活習慣病のリスクが高い方々への保健指導業務を主に行っています。

今後も専門性を活かして、多くの方の健康サポートに貢献したいです。

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