COLUMN 管理栄養士コラム

【レシピ付き】管理栄養士監修、在宅勤務者の間食コントロールメニュー

【レシピ付き】管理栄養士監修、在宅勤務者の間食コントロールメニュー

1.はじめに

在宅勤務が定着しつつある中、「つい間食が増えてしまう」「気づいたら1日中何か食べている」という声も少なくありません。運動量が減りやすい一方で、手の届く範囲にお菓子がある環境は、体重増加や栄養バランスの乱れにもつながります。

今回は、管理栄養士の視点から“間食を我慢しすぎず、賢く取り入れる”方法とおすすめレシピをご紹介します。

2.在宅勤務と間食の関係

  • メリハリがつきにくい:自宅だと仕事とプライベートの境界が曖昧になり、気分転換として食に頼りがち
  • 口さみしさによる食欲:空腹ではなく「なんとなく」で食べてしまうことが増える
  • 運動不足:外出機会の減少により、消費エネルギーが低下

3.間食の考え方

間食は「食事で不足する栄養素を補う」「食事と食事の間が長くなる場合の補食」を基本とし、食事と間食のバランスをコントロールすることが大切です。

甘いお菓子には、エネルギーのもととなる脂質や炭水化物が多く含まれています。一方で、ビタミンやミネラルなどの栄養素はほとんど含まれていません。そのため間食の割合が増えるほど、脂質や炭水化物の摂取量が増え、その他の栄養素を摂取しにくくなります。

栄養が偏らない為にも、間食の選び方を工夫し食事とのバランスを取ることが大切です。

4.賢い間食の選び方

ポイント解説
タンパク質を含むものを選ぶ満足感を高め、筋肉量の維持にも役立つ
よく噛む食品を選ぶ満腹中枢を刺激し、食べ過ぎ防止に
手間のかかる間食にする簡単に食べられないことで“つい食べ”を防ぐ
低糖質・低脂質を意識する脂肪蓄積を抑える効果が期待できる

ヨーグルトやチーズ、ナッツ、果物などは手軽に取り入れやすくおすすめです。

スーパーやコンビニでは、低糖質・低脂質・高たんぱくに配慮した商品が販売されています。上手く活用しながら間食を楽しみましょう。

5.管理栄養士おすすめ! 在宅勤務者の間食コントロールレシピ

レシピ①:食べ応え抜群な野菜たっぷりグラタン

<材料(2人分)>

  • 鶏もも肉…1/2枚(120g)
  • えび…60g(冷凍むきえびやシーフードミックスでも)
  • 塩…小さじ1/2(2.5~3g)
  • 玉ねぎ…1/2個(120g)
  • しめじ…60g
  • ブロッコリー…60g
  • かぼちゃ…160g
  • キャベツ…100g
  • 水…大さじ2
  • 牛乳または豆乳…150ml
  • 薄力粉または米粉…大さじ2
  • ピザ用チーズ…適量

<作り方>

1.鶏もも肉は一口大に切り、えびは背わたを取り片栗粉と塩(分量外)を適量入れまぶし水で洗い流し臭みを取る。

2.玉ねぎは繊維に沿って薄切り、しめじは石づきを取りほぐし、ブロッコリーは小房に分ける。キャベツはざく切り、かぼちゃは皮つきのまま少し大きめの一口大に切る。

3.鍋に塩の半量を振り入れ、しめじ、キャベツ、かぼちゃ、玉ねぎの順に下から重ねていき、上に鶏肉とえび、残りの塩を入れる。

4.水大さじ2を入れ蓋をし、弱火で10分程度蒸し煮にする。ブロッコリーは別で茹でる。(しめじとキャベツの間に入れて一緒に蒸してもOK)

5.食材に火が通ったら薄力粉を入れ、粉っぽさがなくなるまで全体を混ぜる。ブロッコリーと牛乳を加えとろみがつくまで煮る。

6.とろみがついたら火を止め、耐熱容器に盛りつける。上にチーズをのせてオーブンで焼く。(200度予熱で10~15分、トースターでも焼けます)

<POINT>

・油を使わず重ね煮という調理法で野菜の甘さを引き出しています。

・野菜たっぷりでしっかり噛むことができ、食べ応え抜群です。

・食物繊維とたんぱく質をたっぷり摂取でき満腹感もあります。

・冷凍保存OK!作り置きしておけば、在宅勤務中でも手軽に食べられます。

レシピ②:具だくさん豚汁

<材料(2人分)>

  • 豚肉薄切り…70g(豚バラや豚小間などお好みのもので)
  • 豆腐…50g
  • 里芋…2個(100g)
  • 大根…40g
  • ごぼう…40g
  • 人参…20g
  • 舞茸…40g
  • 水…400ml(だし汁でもOK)
  • 味噌…30g

【仕上げ用】

・ねぎ…適量(お好みで)

<作り方>

1.大根と人参は皮を剥きいちょう切り、里芋は一口大、まいたけは根本の硬い部分を取り除きほぐす。ごぼうの皮は包丁の背を使い取り除き、斜めに切り水にさらす。

2.鍋に水400mlと1の野菜を入れ火にかける。

3.沸騰し、野菜に火が通ったら、豚肉とさいの目切りにした豆腐を入れる。

4.豚肉に火が通ったら、火を止め味噌を溶く。

5.器に盛り付けお好みでねぎをのせる。

<POINT>

・根菜類に豊富に含まれる食物繊維をしっかり摂ることで、満腹感を得られます。

・具沢山にすることでしっかり噛むことができ、豚肉と豆腐のたんぱく質で満足感をプラス。

・具材のアレンジは自由!れんこんやこんにゃくを入れるのもおすすめです。

レシピ③:小松菜と鶏むね肉のアーモンド和え

<材料(2人分)>

  • 小松菜…1/2束(100g)
  • 鶏むね肉…40g(ささみでもOK)
  • 料理酒…大さじ1
  • 素焼きアーモンド…20粒
  • 醤油…小さじ1
  • 砂糖…小さじ1

<作り方>

1.小松菜の根本を切り、2㎝幅に切る。耐熱容器に入れふんわりラップをし、レンジで600w2分加熱する。

2.鶏むね肉は火が通りやすいよう薄くそぎ切りし、フォークで何カ所か刺し穴をあける。耐熱容器にむね肉と料理酒を加えラップをし600w2分加熱する。

3.水気を切った小松菜とほぐしたむね肉、砕いたアーモンドを合わせ、調味料を加え和える。

<POINT>

・鶏むね肉を入れることで、副菜でもしっかりとたんぱく質が摂れます。

・アーモンドの食感を楽しめ、噛む回数を増やせます。

6.まとめ

間食は「悪」ではなく、選び方とタイミングを工夫すれば、集中力を保つ味方にもなります。
ぜひ今回のメニューを参考に、在宅勤務の食生活を見直してみてください。


紹介したメニューは満腹感を維持しやすいたんぱく質や食物繊維をしっかりと摂取できるメニューです。

在宅勤務中は簡単に食事を済ませたいですが、そうなると麺類や丼ものなど炭水化物中心になりがちです。炭水化物はたんぱく質や脂質と比べて消化が早く、空腹感を感じやすくなります。

たんぱく質や食物繊維は意識しないと不足しやすいので、食事からはもちろん、間食を上手く活用し日頃から積極的に取り入れたいですね。

食事と間食のバランスをコントロールし、在宅勤務中の健康管理に繋げていきましょう。

監修管理栄養士/平本はるか

大学卒業後、病院にて栄養管理や栄養指導、献立作成などの業務に5年間携わりました。入院・外来にて疾患に対する指導の他、嚥下調整食の作り方の実演指導や健康教室などの業務を通して、患者様やご家族に栄養の大切さを伝えてきました。

その後2年ほど、様々な施設の献立を立てる仕事に従事。

現在は子育てをしながらオンラインにて特定保健指導に携わっています。

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