目次
はじめに
「数日お通じがない」「なんとなくお腹が重たい」――そんな便秘の悩みは、女性を中心に多くの方が抱えている身近な健康問題です。
便秘は肌荒れやイライラ、免疫低下などさまざまな不調の原因にもなり得るため、軽視できません。
そんな便秘改善に役立つのが「食物繊維」の力。
とはいえ、「どんな食材を選べばいい?」「おいしく取り入れるにはどうすればいいの?」と迷う方も多いはずです。
今回は、管理栄養士が監修した、毎日の食事に手軽に取り入れられる“食物繊維強化”の便秘改善レシピをご紹介します!
便秘と食物繊維の関係とは?

便秘とは、排便の回数が減る、便が硬くなる、排便時に不快感があるなどの症状を指し、慢性的な便秘は生活の質(QOL)を下げてしまいます。
その大きな要因の一つが「食物繊維の不足」。
食物繊維は腸内環境を整えるうえで欠かせない栄養素で、以下のような働きがあります。
- 水溶性食物繊維:腸内の善玉菌のエサになり、発酵して短鎖脂肪酸を生成。腸の動きを活発にします。
- 不溶性食物繊維:便のかさを増し、腸を刺激して排便を促します。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によれば、成人女性で1日18g以上、成人男性で21g以上が目標とされていますが、実際の摂取量はこれを下回っているのが現状です。
便秘改善に向けた食生活のポイント
① 食物繊維をバランスよく
水溶性・不溶性の両方を意識してとりましょう。
- 水溶性:海藻、果物、こんにゃく、大麦など

- 不溶性:野菜、豆類、きのこ、雑穀など

② 発酵食品と一緒にとる

ヨーグルト、納豆、味噌などの発酵食品は、腸内の善玉菌を増やす働きがあり、食物繊維と一緒にとると相乗効果が期待できます。
③ 水分もしっかりとる

食物繊維は水分とセットで機能します。便をやわらかく保つためにも、1日1.5〜2L程度の水分補給を心がけましょう。
※食物繊維を摂りすぎると便秘が悪化してしまうこともあるので気を付けましょう。
管理栄養士おすすめ!食物繊維強化レシピ
レシピ名:オクラ納豆
不溶性の食物繊維がたっぷり!鰹節を入れることで塩分を抑えることもできます。ごはんとの相性バッチリで朝におすすめの一品です。

材料(2人分)
- オクラ:1パック(8本入り)〈40g〉→忙しいときは冷凍のものでもOK
- 納豆:1/2パック〈25g〉
- 鰹節:小さじ1程度〈2g〉
- 醤油:小さじ1/3〈2g〉
作り方

- オクラはヘタとガクを切り落とし、沸騰したお湯でお好みの硬さに茹でる。
- ザルにあけて冷ます。(流水で冷ますと水っぽくなるので自然に冷ますのがおすすめ。)
- オクラをお好みの大きさに切る。(小口切りや斜め切りでも何でも可。)
- ボウルに切ったオクラと鰹節、納豆、醤油を入れて和える。
栄養価(1人分)
- エネルギー:約37kcal
- 食物繊維:約3.2g
- たんぱく質:約3.7g
- 食塩相当量:約0.2g
- 脂質:約1.4g
レシピ名:もずくと野菜のかきたま汁
水溶性と不溶性の食物繊維が両方摂れます。汁物だから水分も一緒に摂れちゃいます!


材料(1人分)
- だし汁 180ml(昆布やカツオでだしをとっても和風だしを使ってもOK)
- 生もずく 20g(1/10パック)
- にんじん 10g(1/10本)
- 玉ねぎ 20g(中で1/10個)
- 鶏卵 20g(1/2個弱)
- 味噌 5~8g(小さじ1程度)
作り方
- にんじんは皮をむいて食べやすい大きさに切る。(もずくに合わせて短冊切りがおすすめ)玉ねぎも皮をむいてお好みの大きさに切る。生もずくは流水で軽く洗った後、お好みの長さに切る。(3㎝~5㎝くらいがおすすめ)
- 鍋にだし汁を沸かし、にんじんと玉ねぎを入れ火が通るまで煮る。
- 野菜を煮てる間に卵を割り、溶き卵を作っておく。
- 野菜に火が通ったらもずくを入れ、一度軽く沸騰させる。
- 菜箸で汁をゆっくりかき混ぜながら、卵を細くなるように少しずつ鍋に入れる。
(写真参照)
- 卵に火が通ったら味噌を溶く。

栄養価(1人分)
- エネルギー:約k56cal
- 食物繊維:約1.3g
- たんぱく質:約3.9g
- 食塩相当量:約0.8g
- 脂質:約2.3g
レシピ名:豆腐とおからのナゲット/アボカドソース
お肉とは違って揚げたては外がサクサク中はモチっとした食感になります。アボカドとヨーグルトを使ったソースで更にプラスで食物繊維を摂っちゃいましょう!


材料(4人分)
〈おからと豆腐のナゲット〉
- 生おから 1/2パック(150g)
- 木綿豆腐1/2丁(200g)
- 片栗粉 30g(大さじ3強)
- パン粉 20g(大さじ7弱)
- 鶏ガラスープの素6g(小さじ2)
- 揚げ油 適量(栄養計算では1人5gとして計算)
〈アボカドソース〉
- アボカド 1個(種を取って皮をむいて60g)→冷凍のものを使ってもOK
- マヨネーズ 24g(大さじ2)
- ヨーグルト 60g(大さじ4)→低脂肪のものを使うと多少脂質が抑えられます。
- 塩 少々
- 黒こしょう 少々
作り方
- ボウルにおから、木綿豆腐、片栗粉、パン粉、鶏ガラスープの素を入れ、ひとまとめになるまで混ぜる。


- まとまったら16等分にし、お好みの形に成型する。
- フライパンに油をしき(揚げ焼きにするため炒め物より多め)、ナゲットを並べて火をつける。中火で揚げ焼きにする。きつね色になったらひっくり返し、もう片方の面もきつね色になるまで揚げ焼きにする。


- ソースを作る。アボカドは種を取って皮をむいてみじん切りにする。(細かいほうがソースになじむが食感を出したいなら粗くしてもOK)ボウルにすべての材料を入れ、よく混ぜる。



(左)大体このくらいの粗さで作りました。
(真ん中)完成したもの
(右)冷凍のアボカドのパッケージ。軟らかいので冷凍のものの方が作りやすいかもです。
栄養価(1人分)〈ナゲット〉
- エネルギー:約k159cal
- 食物繊維:約5.5g
- たんぱく質:約6.7g
- 食塩相当量:約0.1g
- 脂質:約9.1g
栄養価(1人分)〈アボカドソース〉
- エネルギー:約k75cal
- 食物繊維:約0.8g
- たんぱく質:約0.9g
- 食塩相当量:約0.2g
- 脂質:約7.6g
※脂質が少々高めなので副菜は低脂質のものを選びましょう。。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
便秘を改善するには、毎日の「食べ方」がとても大切です。
特に不足しがちな食物繊維を、発酵食品や水分とともに意識して摂取することで、腸内環境の改善が期待できます。
海藻、野菜は調理するのに手間がかかるイメージもありますが今回ご紹介したレシピのように、冷凍食品等もうまく活用して、時短しながら日常的に摂取できるようになると良いですね。忙しい日々かとは思いますが、毎日の食事があなたの身体を作りますのでこれを機にぜひ、食物繊維を意識してみてくださいね。
“我慢しない、無理しない”腸活生活を、今日から始めてみませんか?ンスの良い食事を目指しましょう!
監修管理栄養士/川口香梨

武蔵野栄養専門学校 栄養学部卒業 同年に栄養士の資格を取得。
栄養士として病院で3年間実務経験を積み、管理栄養士の資格を取得。
その後保育園で給食業務、離乳食試食会、おしゃべりサタデー(休日に親子でのんびりクッキングする会)、食育戦隊タベルンジャー(劇)など子供が楽しみながら学べる食育を企画、展開。
現在は3人の子育てをしながら病院(委託会社)の提供前の食事のチェック業務、オンラインにて保健指導業務に携わっている。
健康に関して疑問や悩みをもつ人を食事で支えることが夢である。