COLUMN 管理栄養士コラム

【レシピ付き】管理栄養士が教える、授乳ママの鉄・カルシウム補給メニュー

【レシピ付き】管理栄養士が教える、授乳ママの鉄・カルシウム補給メニュー

はじめに

授乳期は赤ちゃんの健やかな成長を支える大切な時期。母乳を通じて赤ちゃんに栄養を届けるため、ママ自身の栄養状態も万全に整えておく必要があります。

特に【鉄】と【カルシウム】は、授乳によって失われやすく、意識的な摂取が求められる栄養素です。
本記事では、管理栄養士の視点から、授乳期に不足しがちな鉄・カルシウムの基礎知識と、日常に取り入れやすいおすすめレシピをご紹介します。


鉄・カルシウムの役割と必要性


鉄について

鉄は赤血球の材料となる栄養素で、酸素を全身に運ぶ重要な働きを担います。妊娠中に貯蔵していた鉄は出産や授乳により消費され、産後は鉄欠乏性貧血になりやすい状態です。
授乳中も1日あたり【約9mg】の鉄が推奨されておりますが、意識しないとなかなか摂取しにくい栄養素のひとつ。

さらに、鉄は吸収されにくい栄養素で、吸収率は15%程度です。植物性食品中の鉄(非ヘム鉄)に比べて、動物性食品中に多い鉄(ヘム鉄)のほうが吸収されやすいといわれているので、お買い物や調理の際は動物性の食品をとり入れたり、鉄の吸収を助ける栄養素「ビタミンC」との組み合わせが効果的です。

カルシウムについて

カルシウムは骨や歯の材料としてよく知られる栄養素ですが、その他にも成長ホルモンをはじめとするホルモンの分泌、血液の凝固、筋肉の収縮など、屋台骨としてガッツリ働く半面、縁の下の力持ちとしても働く、とても有能で必要不可欠な栄養素です。

授乳期は母乳を通して1日に約150~300mgのカルシウムが失われるとされ、食事からしっかり補う必要があります。

子育て世代の日本人女性のカルシウム推奨量は650mgとされていますが、慢性的に不足しているため、赤ちゃんにも授乳をすることで移行するので、授乳期は特に意識して身体にしっかり補いたい栄養素のひとつです。

食事でしっかり補う!鉄・カルシウムを含む主な食品

栄養素主な食品例
赤身肉(牛・豚)、レバー、あさり、丸干マイワシ、大豆製品(納豆・豆腐)、小松菜、ほうれん草、卵黄など
カルシウム牛乳、チーズ、ヨーグルト、小魚、しらす、丸干マイワシ、干しえび、小松菜、水菜、大豆製品など

管理栄養士おすすめ!授乳ママ向けレシピ

レシピ①:鉄分&カルシウムを汁ごといただく!まろやかごま豆乳味噌汁

材料(2人分)

  • だし汁…300ml
  • 豆乳…50ml
  • 味噌…大さじ2
  • あさり(殻むきあさりや冷凍でもOK!その場合はこの量の1/4~6程度)…100g
  • まいたけ…1/2パック
  • 玉ねぎ…1/6個
  • 小松菜…1束(30 ~40g)
  • 油揚げ…1/4枚(10~15g)
  • 桜えび…2g
  • すりごま…大さじ½
  • ねりごま(あればでOK、コクとビタミンEアップに☆)…大さじ1/2

作り方

  1. 好みのだし汁にまいたけを入れて火をかける。(きのこは水から調理すると出汁がでやすい)
  2. 沸騰したら砂抜きしたあさりを洗って、入れる。
  3. あさりが開いたら、玉ねぎ、油揚げ、小松菜の順に入れる。(小松菜が山盛り担って心配になるかもしれませんが、しばらくすると落ち着きます。)

  1. 味噌とすりごま、ねりごま(あればでOK)を一緒にだし汁にとく
  2. 豆乳を入れて沸騰する前に火を止める。

  1. 桜えびをふりかけて完成

<POINT>

・鉄とカルシウムを「これでもか!」という量を投入。鉄を多く含むあさりや小松菜、豆乳や桜えびのカルシウムの吸収を助けるビタミンDが豊富なまいたけなど全栄養素メンバーの相性もバッチリです。ゆで汁などに溶けて出やすい栄養素も、汁ごといただくお料理であれば無駄なくカラダにとり入れることができますよ

・普段のみそ汁に、「カルシウム・鉄分が多いといわれる食品を入れてみよう」という意識があれば、食品数も量もお好みで自由自在に「我が家の味」にアレンジOK!

レシピ②:カリッとおいしくカルシウム☆玉ねぎしらすチーズガレット

材料(2人分)

  • 玉ねぎ…100g
  • ピザ用チーズ…40ml
  • しらす…10~15g
  • ★片栗粉…大さじ1
  • ★顆粒コンソメ…小さじ1/2
  • ★こしょうやパセリなど…お好みで
  • オリーブオイル…少量

作り方

  1. 玉ねぎを薄く切る。
  2. ボウルに、玉ねぎ、しらす、チーズ、★の材料を入れ混ぜ合わせる。

  1. 少量の油をひいたフライパンに2を敷き詰め、蓋をして中火~弱火で5分加熱。
  2. ひっくり返して約3分、軽く焦げ目が付く程度まで焼く。(お皿を使うと失敗が少なく、ひっくり返したあとはヘラでぎゅーっと平らにするときれいに焼けます)

  1. 最後にお好みでパセリやこしょうをふれば完成。

<POINT>


・チーズとしらすの塩気で、調味料としての塩は足さなくてもしっかり味がついています。

・今回、年中手に入る玉ねぎを使いましたが、レンコンやじゃがいもに変えてもとってもおいしくできますよ。

レシピ③:レンジで簡単♪カルシウム&ビタミンDの最強タッグ!無限小松菜のツナ和え

材料(2人分)

  • 小松菜…2~3束(200g程度)
  • ツナ缶…50~70g(1缶)
  • ★ごま油…大さじ1
  • ★鶏がらスープの素…小さじ2
  • ★白いりごま…小さじ1
  • すりおろしにんにく…小さじ1

作り方

1.小松菜は根本を切り落とし、2~3㎝幅に切る。

2.耐熱ボウル(大きめの丼などでもOK)に入れ、上下をあけてふんわりとラップをかけ、600Wno電子レンジでしんなりするまで3分加熱する。

3.ツナ缶を油ごと入れ、★を加えて味がなじむまで和える。

  

4.お皿に盛りつけて完成。

<POINT>

・小松菜は、カルシウムと鉄、ほかにも鉄分の吸収を助けるビタミンCなども含む万能選手。ツナはカルシウムの吸収を助けるビタミンDも含み、さらにたんぱく質もとれ、アミノ酸のパワーで旨味とコクをプラスしてくれます。

・ツナ缶は汁ごと入れると旨味も栄養も無駄なくとれますが、塩分やカロリーが気になる方は油を切ってお使いください。

まとめ

授乳期は自分のためにも赤ちゃんのためにも、栄養バランスを意識した食事が重要です。
鉄とカルシウムはどちらも不足しやすい栄養素ですが、お買い物のときや調理の時に少し意識するだけでも美味しく・簡単に摂取できます。

また、レシピの材料は2人分ですが、写真では実際、大鍋を使い、小松菜を1袋使い切るなど、多めに調理し、作り置きしています。

赤ちゃんがいる生活では火を使うのが大変な場面もあると思うので、たくさん作ってあとはレンジで温めるだけなど、カラダにも心にも負担がないようになるべくラクをしてくださいね。

毎日の食卓に少しずつ取り入れて、赤ちゃん、そしてママ自身の健康もしっかり整えて、にこにこ笑って育児していける手助けレシピになれば嬉しいです。

監修管理栄養士・運動指導士/植田ゆかり

産婦人科や内科がメインの病院で、産前産後のママさんたちやそのご家族への栄養相談・調理業務など、5年間力を入れてまいりました。

その他、保育園や食品メーカー、IT企業で、いろいろな世代の方に栄養指導や運動指導を中心とした生活習慣改善のお手伝いをさせていただき、現在は主に特定保健指導に従事しています。

また2児(4歳女の子、2歳男の子)の育児に毎日奮闘中です。

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